粟田部・岡太神社のご紹介

小林大伸堂のルーツである福井県越前市粟田部は、約1500年前、第26代継体(けいたい)天皇が即位前58歳までの長期間在郷されていたことから、多くの神事、伝説、史跡が伝わる歴史に彩られた町です。その粟田部町にある岡太(おかふと)神社は歴史と美しい自然が楽しめる場所です。ぜひ一度遊びにきてください。

岡太(おかふと)神社

神事や祭りの中心になっているのが岡太神社です。
延長5年(927年)頃にまとめられた延喜式神明帖(えんぎしき じんみょうちょう)という全国神社一覧よると、旧今立郡下十四座の中で最も古い社で、当初は玉穂宮(たまほのみや )と称されていたようです。

「男大迹(おおと)の王」(後の継体天皇)が当地の水害を憂い、九頭竜、足羽、日野の三大河川を開かれたとき、「建角身神(たてつのみのみこと)」「大己貴命(おおなむちのみこと)」「国狭槌尊(くにさっちのみこと)」の三柱を奉祀し、岡太神社と号して祈誓されたのが起源といわれています。ちなみに、隣の大滝町にも「岡太神社」がありますが、こちらは「おかもとじんじゃ」と読む異なる神社です。

写真:岡太神社の鳥居と拝殿
岡太神社の鳥居をくぐるとまず拝殿が。ほとんどの神事がここで行われます。
写真:岡太神社の本殿
本殿があるのは少し上がった見晴らしのいい高台。たくさん立派な石灯籠に囲まれて静かに建っています。
写真:岡太神社の神輿殿
拝殿から本殿へと続く道の途中には神輿殿が。目の前の広場は緑の植物に覆われ、すがすがしい空気が流れます。
写真:境内を散策
3代目、小林勝三はボランティアで神社の清掃、植物の保全に取り組んでいます。

神事

萊祀 (おらいし)

「萊祀」とは「蓬萊祀(おらいし)」または「王位萊祀(おういらいし)」の略です。継体天皇が河内国樟葉宮(くずはのみや)にて即位(507年)されたことを祝い、天皇の行幸に擬して神幸の儀を厳粛に行う式典で、粟田部を代表するお祭りです。現在は祭日の2月11日に山車(だし)の曳き回しを行い、13日に萊祀祭を執り行っています。

粟田部町内外から多くの老若男女が参加して引かれる山車は、古代衣装を着た音頭取りの唄で町内巡行に出発します。沿道には幟(のぼり)が立てられ、出迎えた人々が引き回しに参加するため、人の数はどんどんふくれ上がって数百人になることも。休憩所では酒やお茶、豚汁、菓子、果物などを振る舞われ、参道には50数件もの夜店の露天が並ぶにぎやかなお祭りです。

赤い鳥居のあるのが山車です。白い花のようなものは「まゆ玉」と「餅花」。神から授かった物とされ、各家の神棚などに飾られます。

江戸時代の絵を参考にした衣装に身を包んだ3人の音頭取りの「いこまいな〜」のかけ声で、山車はゆっくりと進みます。

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山車
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町内巡礼の様子

市祭り

地元では一般的に「小判買い」と呼ばれて親しまれているお祭りです。
毎年2月9日午前2時より行われる貨幣交換の神事で、おごそかな祝詞のあと、米粉で作られた黄金色と白銀色の小判を、「10万両、100万両」と景気よく呼び声をかけながら買う風習です。小判を購入した参詣者には、中央に菊理媛、左右に恵比須・大黒様の両像の木版刷りのお札も配られます。小判を自宅の神棚に供えると商売繁盛、家族繁栄が叶うといわれます。
近年はこのお祭りに参加するために遠方からお越しになる方も増えています。

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米粉でできた小判を神棚に供える様子

秋季例祭

毎年10月12日〜14日に行われます。祭りのスタートをきるのは「迹王の餅(どおのもち)」と呼ばれる、継体天皇が大和国盤余玉穂宮(いわれのたまほのみや)に遷都された日を祝して餅を供する神事です。

その年の当番に選はれた若者12 名が、12日の早朝から威勢の良い「迹王の餅の唄」をうたいながら町を練り歩き、夕方まで一日かかって全ての当番宅から餅を集め岡太神社に献上します。翌13日早朝に岡太神社で餅が配られます。この日は小学生は早く帰宅できるのでいっそう楽しみにしています。
さらに14日まで、神輿や神楽「浦安の舞」、「越前権兵衛太鼓」などさまざまな催しが例祭を盛り上げます。「越前権兵衛太鼓」は1400年前から継がれる伝統芸能で、福井県の無形文化財にも指定されています。

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最終日の「越前権兵衛太鼓」の前のお祈り

花筐(かきょう)公園

福井県内で最も古い公園です。
明治28年の台風で岡太神社本殿背後が山崩れになった際に桜を植林したのが初期の公園の姿。大正時代に神社境内地と公園が分けられ、継体天皇に由来する世阿弥の謡曲「花筐(はながたみ)」にちなんで、「花筐公園」と呼ばれるようになりました。現在も岡太神社から続く広大な自然公園として四季を通じて美しい草花や自然を楽しむことができ、高台まで上ると粟田部の町が一望でき、さらに上に上ると展望台もあります。

公園西北側山中には樹齢800年と言われる天然記念物で、謡曲「花筐」にうたわれているゆかりの桜「薄墨(うすずみ)桜」があります。園内には他に約1000本の桜が植えられていて、春の頃には多くの観光客で賑わいます。
しかし地元民に最も愛されているのは、春よりも秋の鮮やかな紅葉です。濃淡色とりどりに燃えるもみじが彩る山道は一見の価値があります。11月中旬には「花筐(はながたみ)もみじまつり」も行われます。

花筐公園ギャラリー

岡太神社、花筐公園へのアクセス

岡太神社社務所/〒915-0242 福井県越前市粟田部町19-2

JRでお越しの場合

タクシー:武生駅から約10分、鯖江駅から約15分
バス:武生駅から福鉄バス「花筐公園口」下車徒歩5分

車でお越しの場合

武生ICから約8分、鯖江ICから約10分

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